低ホスファターゼ症(HPP)の原因

HPPは、遺伝子の変異が原因で起こる病気です。

HPPは遺伝性の病気で、その原因は遺伝子にさかのぼります。遺伝子は、体を組み立て維持するための設計図です。例えば、体内で起こるいろいろな反応を助ける働きを持つ「酵素」と呼ばれるタンパク質がありますが、この酵素を作る設計図は特定の遺伝子が持っています。
HPPでは、アルカリホスファターゼ(ALP)という酵素をつくる遺伝子に変異が起こり、ALPの働き(活性)が低下または無くなる(欠損)ことで発症します。
HPP患者さんでは、アルカリホスファターゼ(ALP)と呼ばれる酵素を作る遺伝子に異常があり、体内のALPが少なくなっています。

  • ALPは、骨の形成と維持に重要な役割を担っています
  • 通常、ALPはカルシウムとリン酸を結合させ、健康的に石灰化された骨を形成させています
  • HPPでは、ALPの活性が低下しているため、骨を形成するカルシウムとリン酸が適切に石灰化することができません
  • HPPでは、カルシウムとリン酸が体内のあちこちに蓄積し、骨や臓器に障害を及ぼすことがあります。また、ALPに関連するその他の副産物も蓄積し、骨や臓器を傷つけます

HPPにおける骨や臓器への影響について、さらに詳しくみてみましょう

健康な骨

健康な人では、ALPの酵素活性が充分高く、健康な骨をつくるのを助けています。

正常なALPは、無機ピロリン酸(骨形成を「妨げる」物質)を、リン酸2分子(骨形成の材料となる物質)に分解します。これらのリン酸の分子がカルシウムと結合してハイドロキシアパタイトを形成、骨に沈着し石灰化します。骨は生涯を通じて継続的に変化と再構築を繰り返し(リモデリング)、骨の健康を維持していきます。

HPP患者さんの骨

HPP患者さんではALPが低下しているため、ハイドロキシアパタイトの材料となるリン酸が少なくなっています。このため、骨が軟らかく脆(もろ)くなるのです。

骨は生涯を通じて再構築を繰り返しており、ALPの活性が低下していると、健康な骨の維持が妨げられます。HPP患者さんでは、骨の石灰化に使われなかったカルシウムと無機ピロリン酸が腎臓や筋肉、関節などに蓄積し、臓器が傷つけられたり、骨や筋肉、関節に痛みが生じたりします。

HPPは遺伝性の病気であるため、HPPの患者さんの、ご家族にもHPPの方がいらっしゃる可能性があります。