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酵素補充療法は、HPPの原因となっている、働きが悪くなったり、働かなくなったりしているALPを注射でおぎなう治療法です。
症状の改善や病気の進行をおさえることが期待できます。
HPPでは、ALPの働きが悪くなったり、働かなくなったりすることで、無機ピロリン酸からリン酸を作ることができず、カルシウムがリン酸とくっつくことができないために、強く健康な骨を作ることができなくなっています。
酵素補充療法でALPがおぎなわれると、無機ピロリン酸からリン酸が作られ、カルシウムとリン酸がくっつくことができるようになるため、強く健康な骨を作り、保ちつづけることができるようになります。
酵素補充療法の副作用には、「投与後に特に注意が必要なもの」と「その他の注意が必要なもの」があります。
一番多いのは、注射部位の反応として、注射したところが赤くなる、痛い、腫れる、出血する、くぼむ、盛り上がる、熱くなる、などの症状です。
投与後に特に注意が必要なもの | |
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①注射部位の反応 |
赤み、変色 痛み、かゆみ、腫れ 出血、内出血 しこり くぼみ 直径1cm以下の皮膚の盛り上がり(発疹) 熱い など |
②投与時の反応 |
発熱 寒気(ゾクゾクしたり、ガタガタふるえる) 怒りっぽくなる 吐き気 頭痛 など |
③低カルシウム血症 |
けいれん 気を失う めまい 胸の痛み むかむかする 胸がどきどきする(脈がはやい) 手足のふるえ 筋肉の脱力感 しびれ 場所、時間、名前がわからない など |
その他の注意が必要なもの | |
①頭蓋骨縫合早期癒合症 |
頭部の変形 早朝やあお向けになると頭痛がひどくなる 吐き気 ものが二重に見える など |
②目の異所性石灰化 |
目の異物感 充血 涙が流れる 目やに など |
③アナフィラキシーショック |
投与開始後5~30分程度(ときに数時間後)にみられる下記の症状 じんましん、かゆみ、皮膚が赤くなる(皮膚表面が赤く盛り上がり、圧迫すると消える) 目や唇などのかゆみ、痛み 息苦しい、ぜいぜいする めまい、胸がどきどきする(脈がはやい) など |
これらの症状は、お薬による副作用のすべてではありませんが、酵素補充療法の開始後、これらの症状がでたり、異常を感じたら、すぐに専門医に相談してください。
対症療法は、日々の生活を快適に送るため、HPPによって起きている骨折やそのほかの症状をおさえたり、やわらげたりする治療方法です。
部位 | 症状 | 対症療法の例 |
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骨 | 骨折 | 手術やギプスなどによる固定 |
骨の痛み | 痛み止めの投与 | |
呼吸器 | 自分で十分な呼吸ができない場合 | 人工呼吸器の使用 |
腎臓 |
高カルシウム血症 高カルシウム尿症 |
低カルシウムミルクの投与 |
頭部、脳 | けいれん発作 |
抗けいれん剤(ビタミンB6)の 投与 |
頭蓋骨縫合早期癒合症 | 手術 | |
歯 | 歯周病 | 定期的な歯磨きの指導、歯周病の治療 |
乳歯の早期脱落 | 小児用入れ歯の装着 | |
筋肉、関節 | 筋肉や関節の痛み | 痛み止めの投与 |
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