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患者さんインタビュー

低ホスファターゼ症とともに歩む、すべての方へ
低ホスファターゼ症とともに歩む、すべての方へ
Vol.3
見ないふりをして
きた不安・違和感
原因がわかって、
気持ちがすっきり
親子で笑い合える未来のために
和田 かなえさん(仮名)40歳代 女性
ずっと体が発していた “サイン”
やりたいことをやろう! と励んだアルバイト

 違和感がより大きくなったのは、短大を卒業して、保育士とし
て働き始めてからです。保育園では書類の整理などのデスク
ワークも多いのですが、下を向いて作業をしていると、すぐに首
が痛くなってしまうんです。家で料理中に立ちくらみがしたり、
気分が悪くなったりしたこともあります。
 22歳のときに最初の出産をしました。子育てでいちばん大変
なのは“おんぶ”です。肩や背中が痛くなってしまって。

職場でもよく園児をおんぶしますが、同僚の保育士たちが1人をおんぶして、もう1人を抱っこしているのを見て、みんなすごいなって。私もがんばってはいたものの、かなりきつかったです。
 29歳から働き始めた別の保育園では、ホールなどの掃除も保育士が担当していました。
この掃除も大で、量が多いとめまいがしたり、息切れがひどくなったりしていました。
当時住んでいた家は3階にあったのですが、仕事を終えて階段をのぼり、部屋に入るとしばらく起き上がれないくらいに疲れていたこともありました。
 振り返ると、体が“サイン”を発していたのだと思います。でも、20歳代は子育てと仕事で忙しかったし、「昔から体力がなかったからな」くらいに受け止めていました。心のどこかで、不安や違和感を直視したくない、と思っていたのかもしれないですね。
 出産を4回経験してきましたが、そのたびに自分の歯が抜けていたのも、今思えば病気のサインだったのかもしれません。出産から2、3ヵ月が経つ頃に歯がポロッと抜けて、「あれ?」と。もちろん、おかしいと思って歯科を受診しましたが、原因ははっきりしませんでした。妊娠中は赤ちゃんにカルシウムを取られるとも聞きますし、その影響なんだろうと思っていました。

うらやましいけど仕方ない、自分を納得させていた

 普段から疲れやすい体ですから、妊娠中はもっと大変でした。息切れがして、歩くのがつらく
なってしまう。家族との買い物中に具合が悪くなってしまうこともよくありました。同じ妊婦さ
んでも、出産直前まで元気に働くことができている人もいて、うらやましくもありましたが、そ
こは人それぞれ。私は体力がないから仕方ないと、自分を納得させていました。息切れすること
も疲れやすいことも「そんなものだ」と受け止めていましたので、産婦人科でも特に相談したこ
とはありませんでした。
 出産を重ねるごとに、職場復帰後に感じる身体的な負担も大きくなっていきました。絵本を読
んだり、歌を歌ったりすした。30分ほど散歩しただけで見舞われる脚の痛みにも悩まされていま
した。
4回目の出産は三つ子でしたから、体により負担がかかったのかもしれない、もしかしたら若年性
の更年期障害なのかもしれない、なんて想像していました。

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