HOME > 患者さんインタビュー

患者さんインタビュー

低ホスファターゼ症とともに歩む、すべての方へ
低ホスファターゼ症とともに歩む、すべての方へ
Vol.3
見ないふりをして
きた不安・違和感
原因がわかって、
気持ちがすっきり
親子で笑い合える未来のために
和田 かなえさん(仮名)40歳代 女性
早く抜けてしまった四男の歯、
「これはおかしい」と検索
やりたいことをやろう! と励んだアルバイト

 診断のきっかけは、三つ子の1人(四男)の歯が、早
くに抜けてしまったことでした。1歳8ヵ月の頃に歯茎
が下がり、歯がぐらぐらしてきました。2歳になってし
ばらく経つと、その歯が根元から抜けてしまいました。
 保育士をしていて、子どもの病気の症状をたくさん見
てきた経験もありましたので、「これはおかしい」と
思ってすぐにインターネットで検索しました。子どもの
歯が早期に抜けてしまう病気の1つとして歯科医院の
ホームページに載っていた病名が、「低ホスファターゼ
症」でした。
 自分の子どもの様子と似ていたため、かかりつけの総合病院の小児科の先生に相談しました。
先生にとっても初めて経験するケースだったようで、初回の受診では診断に至らず、低ホスファ
ターゼ症であることがはっきりしたのは、アルカリホスファターゼ(ALP)の数値が低いことが
確認された、2回目の受診のときでした。
 四男が診断されたことで「お母さんも同じ病気かもしれません」といわれました。私が出産し
た病院でもありましたので、そのときの血液検査の結果を確認していただいたところ、やはり
ALPの数値が低いとのことでした。遺伝子検査を受けた結果、私も低ホスファターゼ症であるこ
とがわかりました。現在小学1年生の長女と、三つ子の1人である次女もまた、同様に診断されま
した。

向き合うべきことが明確になって気持ちがすっきり
やりたいことをやろう! と励んだアルバイト

 私自身は、診断を受けてショックを受けたと
いうよりも、向き合うべきことが明確になっ
て、すっきりした気持ちです。子どもの頃から
続いていた疲れやすさ、脚や首、背中などの痛
みの原因がわかって、「そうだったのか!」
と。不安や違和感がありながら、それを見ない
よう、気にしないようにして過ごすのはつらい
ですから。
 今も、がんばって家の中を掃除すると肉体的につらくなることがあるし、フルタイムの仕事は
できない状態です。でも、以前と違って原因はわかっていますし、難病とはいえ治療法もある病
気です。子どもたちの将来を考えても過度に不安になることはなく、落ち着いて過ごすことがで
きています。
 もともとの私は、スポーツが大好き。もし、子どもたちもスキーをするようになったら一緒に
滑りたいし、たくさん遊んであげたい、そんなふうに思っています。

監修者のことば

 低ホスファターゼ症の患者さんは、疲れやすい、痛みがある、筋力が低下するなどの自覚症状を有することがあります。和田さんは、このような不調をご自分の特性として受けとめ、学校生活、仕事、家事をがんばってこられたのだと思います。永久歯が出産で抜けてしまったことも、妊娠・出産という負担によるものと考え、不安に思いながらも過ごされてきたのでしょう。お子さんの乳歯脱落をきっかけに低ホスファターゼ症と診断され、ご自身の不調の一端が低ホスファターゼ症に関連があったと判明したことは和田さんにとって大事なことであったと思います。希少疾患であるため、私も医師としてたくさん遭遇しているわけではありませんが、歯、筋肉、骨など、いろいろなところに認められる症状について、関連する診療科の専門家の先生方と連携し、これからも和田さんがお子さんたちとともに、和田さんらしく生活できるよう、医師としてサポートでき ればと思います。

前のページへ

This site is intended for Japan audiences only. Ⓒ2024 Alexion Pharma GK