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患者さんインタビュー

低ホスファターゼ症とともに歩む、すべての方へ
低ホスファターゼ症とともに歩む、すべての方へ
Vol.4
私の経験を
まだ診断されて
いない患者さんに
役立ててほしい
親子で笑い合える未来のために
福田 由美子さん(仮名)60歳代 女性
診断名が告げられた瞬間 
パチンッとはまった、
最後の 1 ピース
やりたいことをやろう! と励んだアルバイト

 2020年からの新型コロナウイルス感染拡大によって、世の
中の見え方はすっかり変わりましたが、同じ頃、私の身にも
大きな出来事がありました。
 きっかけは自転車で転倒して、腕の骨を折ってしまったこ
とでした。救急で受診した総合病院で検査したところ、骨密
度がとても低いことがわかりました。
 骨折の治療とリハビリ後に骨粗しょう症の治療を始めたのですが、この頃からもともとあった関節痛、筋肉痛が悪化して、倦怠感に襲われるようになりました。自分で色々と調べて紹介先の病院の先生に相談し、さまざまな検査を受けた結果、低ホスファターゼ症と診断されました。2022年の春のことでした。
 診断名が告げられた瞬間、パズルの最後の1ピースがパチンッとはまって、目の前のモヤモヤが
ぱあっと晴れた気がしたことをおぼえています。自分の体に数々の疑問を抱いてきた記憶の断片
がつながって1枚の絵となり、初めて全体が見渡せるようになったというか。今は向き合うべきこ
とがはっきりしているので、以前よりも穏やかに過ごすことができています。

エナメル質の形成不全で
黄色っぽい歯を気にしていた
やりたいことをやろう! と励んだアルバイト

 小さい頃の私は、家族みんなで出かけるときも「疲れるから留守
番してる」 とよく言っていたと、母から聞いたことがあります。 よくお
ぼえていないのは、自分ではそれほど深刻にとらえていなかった からでしょう。 確かに疲れやすい子で、体育でも持久走は苦手。 でも 体育祭など学校の行事を休むほどではなく、「体力がないんだな」くらいに思っていました。
 強く記憶に残っているのは、歯のことです。6歳ごろから永久歯に生えかわり始めましたが、私
の歯は表面の白いエナメル質の形成が悪く、その下にある象牙質の黄色が目立っていました。ま
わりの友だちの歯は白いのに、私の歯は黄色っぽい。それをずっと気にしていました。
 中学生のとき、校医として来られていた歯科の先生の勧めで、歯に被せものをする治療を受け
ました。被せものをすると見た目は真っ白になりますから、コンプレックスからは解放されまし
た。ただ、30歳前くらいから歯がグラグラし始め、結局、30歳代半ばで上の歯はすべて義歯にな
りました。
 結婚したのは24歳のときでした。20歳代のうちに3人の子を出産しましたが、どの子も歯に異常
はなく、私のような体力のなさを感じさせることもなくすくすく育ってくれました。

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