患者さんインタビュー

　彩の入院は長期間にわたり、私は毎日、様子を見に病院
に通いました。医師立ち会いのもと、人工呼吸器につなが
れた彩を抱っこして、帰る。そんな日々が続きました。生
後4ヵ月目に気管切開術を受けて、人工呼吸器が外されたの
は、その翌月。呼吸をサポートするカニューレは引き続き
つけていましたが、10ヵ月目にはそれも外れて、11ヵ月目
にようやく退院できることになりました。

　退院時には「普通の赤ちゃんと同じように過ごしていいですよ」と言われていましたが、成長 は遅く、なかなか歩けるようにはなりませんでした。2歳ごろには生えてきた乳歯が抜け始め、口 まわりの筋肉も発達していないため、食べ物を噛むこと、飲み込むことがとても苦手な子でした 。成長してほしいからたくさん食べてほしいのに、食べるのがつらそうで、どうすればよいの か……。食べやすい食事探しと調理の工夫は、今も続いています。
　歩けるようになったのは、2歳7ヵ月のときでした。最初に見たのが爪楊枝みたいな細い骨の写 真でしたから、自分の力で立って歩く姿を見て「やっとここまで来られた！」と、本当にうれしか ったですね。
　3歳からは発達支援センターに通い、友達もできましたが、骨の強さに不安があるため、高いところか ら飛び降りる、トランポリンで遊ぶ、何かにぶら下がるといったことは避けるように言われていました。で も子どもですから、こういうことがしたくなる場面は必ずあります。そのときに備えて、補助の先生を1人、 常につけていただいていました。

　退院時には「普通の赤ちゃんと同じように過ごしていいですよ」と言われていましたが、成長
は遅く、なかなか歩けるようにはなりませんでした。2歳ごろには生えてきた乳歯が抜け始め、口
まわりの筋肉も発達していないため、食べ物を噛むこと、飲み込むことがとても苦手な子でした。
成長してほしいからたくさん食べてほしいのに、食べるのがつらそうで、どうすればよいの
か……。食べやすい食事探しと調理の工夫は、今も続いています。
　歩けるようになったのは、2歳7ヵ月のときでした。最初に見たのが爪楊枝みたいな細い骨の写
真でしたから、自分の力で立って歩く姿を見て「やっとここまで来られた！」と、本当にうれしか
ったですね。
　3歳からは発達支援センターに通い、友達もできましたが、骨の強さに不安があるため、高いところから飛び降りる、トランポリンで遊ぶ、何かにぶら下がるといったことは避けるように言われていました。で も子どもですから、こういうことがしたくなる場面は必ずあります。そのときに備えて、補助の先生を1人、 常につけていただいていました。

　ピアノを習い始めたのも、この頃でした。ピアノを習ってい
る友達がいて、「私もやりたい」と言うので始めさせると、と
ても楽しそうに教室に通っていました。
　彩には3歳上のお姉ちゃんがいます。お姉ちゃんは水泳とバレ
エを習っていましたので、その姿を彩と見学しながら「大きく
なったら一緒にやろうね」と話していました。運動は難しいか
もしれないとも思っていましたが、水泳は骨への負担が少なく、
呼吸機能の発達にもよいと言われたので、6歳からスイミング
スクールに通い始めました。

　お姉ちゃんとは仲良しで、彩はずっと「お姉ちゃんと同じ小学校に行きたい」と話していまし た。ですから普通級か支援級かの選択を迫られたときは、親として非常に悩みました。普通級で あればお姉ちゃんと同じ小学校に通うことができますが、支援級となると隣の学区の違う小学校 に通わなければなりません。最終的には安心して通わせることができる支援級を、彩本人も納得 のうえで選択しましたが、同じ学校に通えない寂しさから姉妹2人で大泣きしている姿を見て、私 も胸にこみ上げるものがありました。

　お姉ちゃんとは仲良しで、彩はずっと「お姉ちゃんと同じ小学校に行きたい」と話していまし た。ですから普通級か支援級かの選択を迫られたときは、親として非常に悩みました。普通級で あればお姉ちゃんと同じ小学校に通うことができますが、支援級となると隣の学区の違う小学校 に通わなければなりません。最終的には安心して通わせることができる支援級を、彩本人も納得 のうえで選択しましたが、同じ学校に通えない寂しさから姉妹2人で大泣きしている姿を見て、私 も胸にこみ上げるものがありました。